空き家リノベーションとは?費用・補助金・物件選びの注意点を解説【2026年版】
※当記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。
空き家リノベーションとは?古い住宅を「使える家」に再生する方法
全国で増え続ける空き家を、改修して再び住宅や店舗などとして活用する「空き家リノベーション」が注目されています。
総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年10月1日時点の全国の空き家数は900万2千戸、空き家率は13.8%です。2018年の848万9千戸から51万3千戸増え、過去最多となっています。
ただし、「空き家なら安く買えて、少し直せば利益が出る」と単純に考えるのは危険です。
購入価格が安くても、雨漏り、シロアリ、給排水設備の劣化、耐震性、残置物、土地の境界、接道などの問題によって、購入後に大きな費用が発生することがあります。
空き家リノベーションでは、物件価格だけではなく、購入から改修、維持管理、そして将来の売却や賃貸まで含めた「総額」で考えることが重要です。
リフォームとリノベーションの違い
「リフォーム」と「リノベーション」は、法律上明確に区別されている言葉ではありませんが、一般には意味合いが少し異なります。
- リフォーム:古くなった設備や内装などを修繕し、元の状態に近づける
- リノベーション:間取りや設備、用途なども含めて見直し、新しい使い方や価値を加える
例えば、傷んだ壁紙を張り替えるだけならリフォームに近く、古い和室をLDKにつなげたり、空き家を賃貸住宅や店舗として使えるよう再構成したりする場合は、リノベーションと呼ばれることが多くなります。
重要なのは呼び方ではなく、「誰が、どのように使う家にするのか」を改修前に決めておくことです。
空き家はどこで探す?まず確認したい空き家バンク
空き家を探す方法のひとつが、自治体の「空き家バンク」です。
自治体によって運営方法は異なりますが、地域内の空き家を売りたい・貸したい所有者と、利用したい人をつなぐ仕組みとして利用されています。
国土交通省では、自治体が把握・提供している空き家情報を自治体横断で検索できる「全国版空き家・空き地バンク」を案内しています。
ただし、空き家バンクに掲載されているからといって、すぐに住める状態とは限りません。
現況のまま売買される物件や、大規模な修繕が必要な物件もあります。価格の安さだけではなく、「改修後に本当に使える物件なのか」という視点で確認しましょう。
空き家購入前に確認したい7つのポイント
空き家リノベーションでは、工事を始めてから問題が見つかると予算が大きく狂います。
購入前には、少なくとも次の項目を確認しておきたいところです。
1.雨漏り・腐食・シロアリ
長期間使われていない住宅では、屋根や外壁だけでなく、床下や小屋裏など見えにくい部分で劣化が進んでいる場合があります。
内覧時に室内がきれいに見えても、構造部分まで問題がないとは限りません。
天井や壁のシミ、床の沈み、柱や土台の腐食などを確認し、必要に応じて建築士や住宅診断の専門家などへの相談も検討しましょう。
2.耐震性
古い空き家では耐震性の確認も重要です。
1981年6月1日から、いわゆる「新耐震基準」が適用されています。そのため、1981年5月以前に建築確認を受けた建物などでは、現在の耐震基準を満たしていない可能性があります。
ただし、築年数だけで耐震性能を断定することはできません。建築時期や建物の構造、増改築の履歴、現在の状態などを確認する必要があります。
新耐震基準の住宅であっても、建物の状態によっては耐震診断や補強を検討したほうがよい場合があります。
3.上下水道・電気・ガスなどのインフラ
長期間使用されていなかった住宅では、水道管や給湯設備などが劣化していることがあります。
蛇口から水が出るだけでは、設備全体に問題がないとは判断できません。
下水道ではなく浄化槽を利用している地域や、都市ガスではなくLPガスを使用する地域もあります。
設備の種類だけでなく、再使用するために修理や交換が必要かも確認しておきましょう。
4.接道と再建築の可否
古い住宅では、現在の建築基準を満たしていない道路に接しているなどの理由で、将来建て替える際に制限を受けることがあります。
すでに建物が建っているからといって、将来も同じように建て替えられるとは限りません。
購入前に、不動産会社や自治体の建築担当窓口などで接道状況や建て替えの可否を確認しておきたい項目です。
5.土地の境界や権利関係
長く利用されていなかった土地では、境界標が見つからなかったり、登記上の情報と現況が分かりにくかったりするケースがあります。
相続登記、共有名義、私道、隣地からの越境、こちらからの越境なども、将来の売却や改修を進める際の問題になる場合があります。
土地と建物の登記内容も確認しておきましょう。
6.残置物と撤去費用
家具、家電、生活用品などがそのまま残されている空き家もあります。
購入価格が安くても、大量の残置物の処分、庭木の伐採、古い物置の撤去などに費用がかかる場合があります。
残置物を誰が処分するのかについても、契約前に確認しておくと安心です。
7.改修後の使い道
「とりあえず安いから買う」のではなく、購入前に利用方法を考えておくことも大切です。
- 自分で住む
- 賃貸住宅として貸す
- 改修後に売却する
- 店舗や事務所などに活用する
- 二拠点生活や週末住宅として利用する
用途によって必要な改修内容も予算も変わります。
住宅を店舗や宿泊施設など別の用途で使用する場合は、建築基準や消防関係などの確認が必要になることもあります。
空き家リノベーションの費用は「物件価格+工事費」だけではない
空き家リノベーションの費用に、一律の相場を当てはめるのは難しいものです。
同じ広さ、同じ築年数でも、建物の傷み方や改修する範囲によって必要な金額は大きく変わります。
予算を考える際は、少なくとも次の費用を分けて考えてみましょう。
- 物件の購入代金
- 仲介手数料など購入時の諸費用
- 登記に関する費用
- 建物調査や設計にかかる費用
- 屋根・外壁・構造部分の修繕費
- キッチン・浴室・トイレなど設備の更新費
- 電気・給排水・ガス設備の工事費
- 残置物や庭木などの処分費
- 固定資産税や保険など保有中の費用
- 賃貸する場合の入居募集や管理に関する費用
安い空き家ほど、「購入代金以外のお金」が大きくなることもあります。
例えば物件価格が100万円だからといって、100万円台で住める状態まで完成するとは限りません。
購入前に改修内容をある程度決め、必要に応じて施工会社などから概算見積もりを取っておくと判断しやすくなります。
DIYなら安くできる?自分でできる工事と注意点
空き家リノベーションでは、DIYを取り入れることで工事費を抑えられる可能性があります。
例えば、室内の清掃、壁の塗装、棚の製作など、内容によっては自分で取り組みやすい作業もあります。
一方で、何でもDIYできるわけではありません。
特に電気設備では、住宅の配線やコンセントなど、電気工事士の資格が必要になる工事があります。
また、建物の構造部分や電気、ガスなど、安全性に直接関わる部分については、DIYにこだわらず専門家へ依頼することが重要です。
参考:経済産業省「電気工事士」
空き家リノベーションで利用できる補助金・助成制度
自治体によっては、空き家の購入、改修、耐震化、除却などを対象とした補助制度を設けています。
ただし、補助制度は自治体ごとに対象者、対象物件、補助率、上限額、申請時期などが異なります。
特に注意したいのが、工事を始める前の申請が必要な制度が多いことです。
契約や工事を先に進めてしまうと補助対象外になる場合もあるため、気になる物件を見つけた段階で自治体の制度を確認しておきましょう。
2026年の実例:岐阜県各務原市の空家バンク登録物件改修補助
岐阜県各務原市では、「各務原市空家バンク」に登録された物件を購入した人が物件を改修する場合、工事費用の一部を補助する制度があります。
- 補助対象経費の2分の1
- 上限50万円
- 市外の施工業者による改修の場合は上限30万円
- 補助対象工事の着工前に申請が必要
- 売買契約をした日から1年以内の申請が必要
- 補助を受けた物件に3年以上居住する意思が必要
ここで重要なのは、「空き家改修の補助金=不動産投資に自由に使える」というわけではないことです。
各務原市のこの制度では、補助金の交付を受けた日から3年以上その物件に居住する意思があることが要件となっています。
そのため、購入後すぐに第三者へ貸し出すことを目的とした物件などでは、利用できない場合があります。
制度名や補助額だけで判断せず、自分の利用目的が対象条件を満たしているか確認しましょう。
※上記は2026年8月31日時点で各務原市公式サイトに掲載されている情報をもとにしています。制度内容は年度、予算、募集状況などによって変更・終了する場合があります。申請前に必ず自治体の最新情報をご確認ください。
各務原市には「借主負担DIY型」の空き家活用もある
各務原市では、補助金とは別に「DIY型空き家リノベーション事業」も実施しています。
これは、「空き家を手放す予定はないけれど活用したい所有者」と、「住宅を購入する予定はないけれどDIYをして自分らしく暮らしたい借主」をつなぐ取り組みです。
各務原市では「借主負担DIY型」という賃貸方法を採用しています。
貸主が一般的な賃貸住宅のような修繕義務を負わない代わりに比較的安く貸し出し、借主が自費で修繕や模様替えを行う仕組みです。
ただし、構造体の不具合や雨漏りなど、住宅の根幹部分については貸主に修繕義務があります。
借主は持ち家のように自分好みのリノベーションを行うことができ、契約内容によっては退去時に原状回復義務を負わないことも特徴です。
空き家は「買って直す」だけではありません。
「空き家を借りてDIYする」「所有している空き家をDIY可能な住宅として貸す」という活用方法もあります。
空き家リノベーション後は「貸す・売る・使う」を考える
空き家を改修する前に、その後の使い方を決めておくと、必要な工事に優先順位をつけやすくなります。
賃貸住宅として貸す
入居者が確保できれば家賃収入を得られますが、空室、修繕、管理、固定資産税などの負担があります。
例えば「月5万円で貸せるから年間60万円の利益」と単純に計算することはできません。
実際には家賃収入から、修繕費、管理費、税金、保険料、入居募集費用、空室期間などを差し引いて収支を考える必要があります。
改修後に売却する
きれいに改修すれば必ず高く売れるわけではありません。
地域の中古住宅需要、土地価格、建物の状態、接道条件などによって売却しやすさは変わります。
購入時から周辺の中古住宅がどの程度売買されているのかを確認しておくことも大切です。
自宅・二拠点住宅として使う
自分で長く使うことを前提にする場合は、短期的な投資回収よりも、断熱性、耐震性、水回り、使いやすい間取り、日常の維持管理などを重視した改修が考えられます。
郊外や地方の空き家を、週末住宅や二拠点生活の拠点として活用する方法もあります。
「安い空き家」ほど総額で比較しよう
空き家探しでは、数十万円や100万円前後といった安い価格の物件に目を奪われがちです。
しかし、購入代金が安いことと、安く利用できることは同じではありません。
例えば、屋根、基礎、給排水設備、電気設備などを広範囲に改修する必要があれば、物件価格より改修費のほうが大きくなることもあります。
反対に、購入価格が多少高くても、建物の状態が良く、大規模な改修が不要な物件のほうが総額では安く済む場合もあります。
「いくらで買えるか」ではなく、「使える状態になるまで総額いくらかかるか」を比較することが、空き家選びでは重要です。
空き家リノベーションを始める基本的な流れ
- 利用目的を決める
自宅、賃貸、売却、店舗など、改修後の使い方を考えます。 - 空き家を探す
自治体の空き家バンク、不動産会社、全国版空き家・空き地バンクなどを利用します。 - 建物と土地を確認する
耐震性、雨漏り、シロアリ、設備、境界、接道などを確認します。 - 改修費を見積もる
購入代金とは別に、使える状態にするまでの総額を計算します。 - 補助制度を調べる
自治体の制度を確認します。工事着工前に申請が必要な制度には特に注意しましょう。 - 購入・契約する
物件や契約条件に不明点がある場合は、不動産会社や必要な専門家への相談も検討します。 - リノベーションする
DIYする部分と専門業者へ依頼する部分を分け、安全面を優先します。 - 利用・管理を続ける
改修して終わりではなく、定期的な点検や維持管理も必要です。
まとめ|空き家リノベーションは「安く買うこと」より「使える状態まで考えること」が大切
空き家リノベーションには、使われていなかった住宅を再生し、新しい住まいや活用場所として生かせる魅力があります。
一方で、空き家には建物の劣化、耐震性、設備、接道、境界、残置物など、購入前に確認したい項目があります。
「安い物件を見つけたから買う」のではなく、まず利用目的を決め、物件価格と改修費、購入後の維持費まで含めて検討しましょう。
また、自治体によっては空き家バンクや改修補助、DIY型賃貸など独自の支援制度があります。
条件に合う制度を利用することで、空き家再生の選択肢が広がる場合もあります。
まずは希望する地域の自治体や全国版空き家・空き地バンクで情報を探し、気になる物件が見つかったら「購入価格」だけではなく「使える状態になるまでの総額」を確認するところから始めてみましょう。
Q&A
空き家のリノベーション費用はいくらかかりますか?
建物の広さや劣化状況、耐震補強、水回り、屋根、外壁など改修範囲によって大きく異なるため、一律の相場だけで判断するのは難しいです。
購入前に建物の状態を確認し、物件価格だけではなく改修費や諸費用を含めた総額で比較しましょう。
空き家のリノベーションに使える補助金はありますか?
自治体によって、空き家の購入や改修、耐震化などを対象とした補助制度があります。
ただし対象者、対象物件、補助額、申請時期などは自治体ごとに異なります。工事着工前の申請が必要な制度も多いため、必ず自治体の最新情報を確認してください。
空き家はどこで探せますか?
自治体の空き家バンク、不動産会社、国土交通省が案内する全国版空き家・空き地バンクなどで探せます。
空き家バンク掲載物件でも修繕が必要な場合があるため、購入前に建物や土地の状態を確認しましょう。
空き家のリノベーションはすべてDIYできますか?
すべてをDIYできるとは限りません。
電気工事など資格が必要になる工事があり、建物の構造部分や安全に関係する工事も専門家へ依頼したほうがよい場合があります。
DIYする部分と専門業者へ依頼する部分を分けて考えましょう。
安い空き家を買えば不動産投資で利益を出しやすいですか?
購入価格が安いだけでは、利益を出しやすいとは判断できません。
屋根や基礎、設備などの修繕費、税金、保険、管理費、空室などを含めると、物件価格以上の費用が必要になる場合もあります。
購入価格ではなく、改修後の利用や売却まで含めた総額と収支で判断することが重要です。
参考・出典
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」
- 国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」
- 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」
- 経済産業省「電気工事士」
- 各務原市「空家バンク登録物件改修補助」
- 各務原市「DIY型空き家リノベーション事業」
にほんブログ村
にほんブログ村
✅代行サービス専門マッチングサイト:ラクダ
✅ラクダではアフィリエイトパートナーを募集しております。
🏠無料で空き家を掲載・検索できるマッチングサイト:空き家リスト
✨ぬふふ.com
🏢運営会社:合同会社桔梗企画
気になる空き家、見つかるかもしれません。
無料で掲載&検索できる空き家リストはこちら。


